小説 集似
□俺の名字知ってます?
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いきなり銀時と高杉の間に現れた桂に「ヌワァッ」と間抜けな悲鳴を銀時は上げた。
「何だ居たのかヅラ。」
高杉が言うと「桂だ、スタンバってました」と茶の入った湯飲みを片手に座った。
「名前の話とは珍しいではないか。」
桂はうんうんと首を縦に振る。
「お前さんは銀時の名字覚えてたかい?」
高杉が桂に尋ねると桂は「そう言えば…何か有ったな」と考え始めた。
「いや、お前…スタンバってたなら答え知ってるだろうが。」
銀時が言うと桂は「実は今しがた来たのでな…その辺の話が解らん。銀時の名字…ちょっと待て、何か聞いた気がする…」
電波の桂までもが真剣な顔で考え始め、銀時は悲しくて仕方無かった。
「俺は『銀時』としか呼んだ事が無いからな…白夜叉銀時…あ!」
桂がハッとして銀時を見たが、銀時は「言っとくけど白夜叉は名字じゃねーからな。」と冷静にツッコミを入れた。
図星だったのだろう桂が悔しそうに項垂れる。
そんな桂の横から高杉が「坂田だってよ」と伝える。
「坂田?銀時が、坂田?坂田なんて名字の奴が居ただろうか…?」
「居たよ!つか居るよ、坂田は!坂田銀時!忘れるだけじゃなく存在否定するってどういう事だコラァ!?」