小説 語

□万高始めますか。
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「うるせェェェェ!敵と主人公っていう元盟友設定がより感情を高めんだろうが!」


「そんなややこしい定番設定が今時通ずると思うてか!今日より『元銀高設定の万高』でござる。悔しいが子供時代から攘夷戦争迄の銀高は認めよう、しかし今現在はその上での万高でござる。」


「俺は子供の頃からはアレだけど攘夷時代から今現在迄ずっと高杉一筋なんだよ!ちょっ…お前一回表出ろ!」



取っ組み合いながら床を転がっている銀時と万斉に高杉が口を開いた。



「まぁ落ち着け。銀時、テメェも考えてみろよ。世の中にゃ色んなパターンってもんがあんだ、万高始めてる間にオメーもヅラとか眼鏡とか土方とかやってみたら良いじゃねーか。」


「何かとんでもない事を平気で言ってくれてるよね!?俺のアレコレ無しでやっていける訳!?」


「その点は拙者が抜かりなくしていく故に心配要り申さぬ。」


「ンだコラ、俺の代わりがお前に勤まると思ってんのか?」


「拙者、弦を奏でる者故、指も長いし逸物も敗けはせぬ。こう見えて身体に自信はあるでござるよ。」



そんな事を話しながら銀時と万斉は立ち上がると上服を脱いだり手の大きさや指の長さ、筋肉の付き具合等をお互いに触ったりしながら比べだした。


そんな二人を眺めていた高杉。



「というかよ、お前等でやれば良いんじゃねえか?万斉は俺より外に出てるし正体もバレてねェ。設定的には好都合だろ。俺はコレでノーマルとさせて貰うぜ。」



高杉はフと笑うと踵を返した。



「銀万でも万銀でも好きにしな。俺ァ先帰っからごゆっくりどーぞ。」



「……」


「……」



銀時と万斉は顔を見合わせると玄関へ向かう高杉の後を追った。


「?」



気配を察知した高杉の悲鳴は数秒後に響いた。





終わり



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