小説 杉
□愛刀は大切に
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「洞爺湖よぉ、コイツは必殺技無くても良いって。包帯とか煙管とか隻眼とか…何かしらポイント押さえてるし。」
銀時の言葉に洞爺湖はガクガクと首を縦に振った。
『テメェの愛刀ってなぁ…まったく主人に似るもんだな銀時?それに比べて俺の愛刀をみろ、真っ黒く真っ直ぐな毛並み…この艶やかさ。」
「「え?」」
高杉が此方に向けて抱えているのは先程から居る黒い猫。
「ニャァン」
『田中さんから譲り受けた俺の自慢の愛刀、安芸国佐伯……とりあえず貞安だ。』
高杉が画面に見えるように抱き抱える。
「おいィィ!自分の愛刀の名前くらい覚えとけ!つか猫!?」
銀時のツッコミがはいる。
その時、
『高杉さんや、そろそろ時間だよ。予定してた幕府官僚を殺りに行こうか、サクっと殺ろうか。』
『ああ。じゃあな銀時、因みに今喋った奴が黒い獣だから。』
『高杉さん、早く〜呻いちゃうよ〜』
『わかった、わかった。行くぜ貞安。』
『ニャァ』
プツン
モニターが切れた。
「な…な、な…なんつー切り方してんだァァァァァァッ!!愛刀にも驚いたけどアレ…どんだけ獣と仲良くしてんだアイツ!めちゃめちゃフレンドリーだったじゃん!?しかも『サクっと殺ろうか。』ってどんだけスナック感覚!?もう洞爺湖!俺帰るわ!疲れた!!ものっすごく!!じゃあな!」
「ま、待て!坂田銀時!主よ!コレを授ける、最終奥義だ。高杉晋助…奴の愛刀を見ていて仕上がった!いける…これならいけるぞ!」
銀時は嫌な予感しかしなかった。
そして予感は的中。