小説 杉
□愛刀は大切に
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『クク…確かにコイツも獣ではあるが、流石にコイツじゃねェよ。』
「あ、そう…良かったよ。主人公の俺が言うのもアレだけど、その猫がお前の言う黒い獣だったらどうしようかと思ったよマジで。」
『あの黒い獣に姿なんざねェよ。真っ黒な闇がその姿さ…』
高杉は悠々と、取り出した煙管をふかす。
「なんにしてもだ、高杉晋助。銀魂キャラで有る以上、貴様にも必殺技を覚えてもらう!」
『あぁ?誰だテメェ…馴れ馴れしく呼ぶんじゃねェよ。』
高杉はその隻眼を細める。
「おい、止めとけって…アイツはお前みたいな冗談通じる奴じゃねェから。」
銀時は洞爺湖へ小さく忠告してやるが、洞爺湖は考えがあると笑う。しかしその顔は完全に青ざめていた。
「(大丈夫かコイツ…)」
銀時は静かに見守った。
「高杉晋助…さん、わ…我は洞爺湖仙人!此処に居る坂田銀時の愛刀洞爺湖なり!貴様の刀も必殺技…アレ!必殺技が何か欲しいと愚痴っていたぞ!良いのか?愛刀を悲しませて…」
高杉はふと考える。
『その愛刀ってのはどれの事だ?昔使ってた奴か?』
「え?」
『だから、愚痴ってたのはどいつだ?連れてこい此処に。叩き折ってやる。』
「いや…あの、どれかは知らないけど…あの……か…川に沈むって、言ってました…スンマセン…」
適当に愛刀が愚痴っていたなどと言った事を後悔しながら洞爺湖は尋常じゃない汗を流した。