小説 杉
□愛刀は大切に
1ページ/7ページ
真っ暗な空間に銀時と神楽、そして新八は眠っていた。
『目覚めよ』
闇に響く声と共に、眩しい光が一閃した。
銀時達は眼を開き、身体を起こす。
「銀さん、ここってこの間の…」
「何とか仙人の縮れ毛部屋アル。」
「あ〜アレか、何とか仙人ね。ハイハイ……何とか仙人って何?」
「「知らね」」
神楽と新八は声を揃えた。
「洞爺湖仙人だって言ってんだろーが!コホン…目覚めたか、選ばれし者ども。久しぶりだな、我が主。」
現れたのはかれこれ数回の登場、銀時の扱う洞爺湖こと洞爺湖仙人だった。
「久しぶりじゃねーヨ、選ばれたって勝手に選んだだけだろーが駄目仙人。三十六巻で表紙まで出してやったのにまだ足りないアルか?暇なら部屋でシコシコやってろヨ。」
寝起き最悪の神楽はゴミを見るような眼を洞爺湖仙人へ向けた。
「ちょっと神楽ちゃん、鬱陶しいのは解るけど駄目だよ、そんな事言ったら。」
さりげなくとどめを刺した新八。
「じゃあ銀さん、僕ら向こうでテレビ見てるんで終わったら教えて下さい。」
神楽と新八は仙人へ背をを向け、画面の隅にあるテレビへ向かった。
「……」
涙ぐみながら洞爺湖仙人は主こと銀時を見つめる。
「なんだよ!俺何にも言って無いからね!?何か俺が悪いみたいな眼で見てるけど!」
「いや、すまない。本題に入ろう、いろいろ考えると何か辛いから…とりあえずこっちへ来てくれ主。」
洞爺湖仙人は設置されたモニターへ向かった。
銀時もその前へ向かう。