小説 杉
□世界観と設定は破る為にある
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ガラッ
玄関の扉を開ける音がした。
和室で寝転んでジャンプを読んでいた銀時はおおかたどっか行った神楽か新八が帰って来たものだと思った。
しかし、静かだ。
「…?」
銀時はジャンプを置いて玄関へ向かう。
その時、キィンと耳につくハウリングが響いた。
「さあ思い出せ!かつての絆は永遠に!例え袂を別っても!奮えるぞハート!燃え尽き「うるせェェェェェェェェ…ぎゃあァァァァァァッ」
拡声器を持って叫ぶ高杉に跳び蹴りを仕掛けた銀時だったが難なくかわされ、その身を持ってして我が家の玄関を破壊した。
霧散に散る玄関の扉。
高杉は玄関に倒れている銀時を鼻で笑った。
「一人で何やってんだァ?来客の出迎えも満足に出来ねェとは…相変わらず馬鹿、いや…能無しだなァ?」
「誰が一番悪いと思ってんだ!いきなり来て人ん家の玄関で喚く奴を客とは言わねぇんだよ!変人若しくは迷惑者と呼ぶ、今すぐ通報して…」
こめかみに青筋を立てながら電話へ向かう銀時を高杉が見逃すはずもなく…
「銀時ィ…あの世にでも逝ってこいや、三途の川は結構眺めが良いらしいぜ?」
後ろから腕で首を絞める高杉は悠々とした口調で言った。
「ちょ…ギブギブギブ!締まってる!締まってる!ギブだって!」
青ざめながら必死の抵抗をする銀時だった。