Re!born

□女の子の日
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は、オマエ、、





女の子の日






「オマエなにしてんの」
「っ、…なんだベルか」




夜中まで任務で屋敷を出ていたオレは3時頃に寝床について、いつのまにか気づけば朝の11時。
今日は任務もねぇし、よく寝たし、暇だななんて思って廊下をブラブラしていたら、廊下の壁にもたれ掛かっているユキノがいた。
なんとも奇妙な光景で、ユキノは隊服を着たまま壁にもたれ掛かっていた。




「ししっ、もっと喜べよ」
「ごめんて」
「…」



なにか変だ。まずユキノの発言に覇気がない。いつもならもっと鋭く毒舌を吐く。今日のコイツと言えば、壁にもたれ掛かったままこちらを向いて、力なく笑っている。変だ。
ユキノの異変に気づいたオレは近づいた。





「ちょ、寄ってこないでよ…」
「…オマエ、顔面蒼白なんだけど」
「しし、いつもこうよ」
「笑い方真似すんなボケ」




なにか変だ。顔面蒼白な上に頭が回ってないかのような返答。もしかして。そう思ったオレは右手をユキノの額に当てようと手を伸ばす。





「避けんなって、っ、あぶっな」
「あ、ご、めん」




王子の手を避けようとしたユキノが後ろへふらっと倒れそうになった。オレは急いで手を伸ばしてユキノの首を支えた。

あっつ!





「おっまえ、熱すぎ。熱あんだろ。」
「あると思うけど、そんなの大丈夫なの…」
「はあ?」




大丈夫じゃねぇだろ。壁にもたれ掛かってはぁ、と熱っぽい息を吐いている姿がいかにも大丈夫ではない。




「ちが、熱は我慢でき、る…う…」
「オイっ!」




ずるずると壁にもたれ掛かったままユキノがしゃがみこんだ。
ぐっ、と腰を押さえて苦しむ姿に、ピンとくる。あー。




「あー、なるほど」
「察してくれてどうも…」




女特有のアレか。確かにすげぇ腹痛くなるやつもいるらしいな。
というか、なんでコイツはこんな状態で隊服着てんだよ。仕事するつもりか?休めよ。





「オマエ、もう今日仕事止めとけよ」
「だめ、迷惑かけるし、…」




お腹を押さえながら立ち上がる。あーもうめんどくせ。
ユキノの腕をとって、ぎゅっと抱き寄せる。



「は、え?」
「この後、王子が良いって言うまで喋んな」
「は?ちょっ、」
「喋ったら殺す」
「…」



我ながら暗殺者という立場だから、殺すという言葉に現実味を帯びすぎているなと思う。
ま、そのお陰でユキノが黙ったので丁度良い。

抱き寄せた反対の手でゆるゆるとユキノの頭を撫でる。相当熱いな。コイツよくこんなんで仕事しようとおもったな。これにプラス生理ってどんだけしんどいんだか。王子には想像できねぇけど。

そのとき、タイミングよくスクアーロが通った。




「隊長ー」
「あ゛ぁ?な゛おま、なにして」
「ユキノ熱あるから仕事休ませてやって」
「あ、ぁあ、まぁそれはいいが、大丈夫かぁ?」
「しし、王子が看病するしダイジョーブ」
「(それが恐ぇんだろぉが)」




通りかかったスクアーロに声をかけて、コイツの仕事を休ませる。もはや本当に気を失っているユキノを抱上げて、王子の部屋まで運ぶ。





「…(軽すぎ)」







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