過去作品2

□Uranus
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「「やあ!今日も相変わらず小さいね!」」

「嫌みでしょ、フレッド、ジョージ」

 天体観測をしようよ、とロンに誘われたのは少し前。スネイプ先生に叱られたばかりのロンは、ハリーやハーマオニーを誘わず、何故か私を誘ってきた。いや、私はロンに恋をしている。誘われて嫌なはずはないけど、私は完全な片想い。
 ロンの兄であるフレッドとジョージとは、私は仲が良い…何故か良い。年上の人と話すのは気さくいが、二人は気軽に話し掛けてくれるから、仲が良くなった。

「おや、随分と機嫌が良さそうだね…どう思う、兄弟?」

「そうだな…デートと見たよ、兄弟」

「ぅえぇええええ!?」

 やっぱりか!双子特有の声を揃えてジョージとフレッドは言った。相変わらず、勘が冴えてる。悪戯したくなったら、この二人は頭が無駄に冴えるのは、私の経験上幾つもあった。
 ジョージが私の右手を掴み、ふっと耳に息が吹きかかるくらいまで口を近付けてきた。フレッドは左手を掴み、空いている手で左の耳を触ってきた。

「「言ってくれるかな?」」
 
「ぎゃはっ、く、くすぐった…ちょ、止め…!!」









「天体観測をしようよ」

 好きな子を、初めて勇気を出して天体観測に誘ってみた。いざ誘ってみたら、凄くドキドキするもんなんだな、僕はしばらく鳴り止まない心拍と格闘していた。ハリーやハーマオニー抜きで誘うのは初めてだけど(いつもあの二人が誘ってた)、僕だって、男の意地を見せ付けれるチャンスだろ!
 でも、僕の気持ちは完全に片想い。あれだよ、うん。くるみはジョージかフレッドが好きなんだなって、思うから…いや、分かる。現に今だって仲が良いじゃないか、僕なんかより!…告白する前に玉砕ってカッコ悪いな…。でも、今日見る天体観測で思いを伝えたいんだ!






「ゴメン、ロン。少し時間に遅れちゃって」

「いいよ、僕だってさっき来たばっかりだから」
 
 なんて嘘。実はかなり前から此処、集合場所には来ていた。真面目だから、ハーマオニーと時間が来るまで本を読んでたんだろうな。
 僕が、早く行こうよ!と声を掛ければ、うん!と笑顔で答えた。

「あー、やっぱり今日は綺麗ね」

「雲一つないらしいからね」

 そうなの?と聞いてくるくるみに、僕は口の端が綻びるのがわかった。きっと僕、かなりのマヌケ面だろうな…。
 するとくるみは、「ロンはどうして星が見たくなったの?」と聞いてきた。口が裂けても、「君に告白するためさ☆」なんて言えるはずない!

「そ、それは…」

「…?」

 いや、覚悟を決めて言うべきだ!行け、ロン!君はジョージやフレッドより優れてる!(何がだろう)

「僕は…き、君のことが……」

 一点の星が、一番よく輝いた。

 
Uranus
(天王星)




 

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