過去作品2
□会いたい
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「フレッドが、死んだんだ」
ジョージが俯きかげんで、私にそう泣き声で呟くように言った。ロンやジニーもだって泣いていた。私は、ジョージの言葉を聞いてすぐ、手に取ってあったアルバムを下の引力に引っ張られて落ちた。
中身の写真が沢山出て来た。私はその写真を踏まないように、ジョージに近寄った。
「…フ、レッド……が?」
嘘、私はその言葉を発する前にその場に泣き崩れた。ああ、駄目な私。年の下のロンやジニーの前で子供のように泣くなんて、よっぽどフレッドが死んだ事に嘆いているのね。
「ご、ごめんね……でも、か、悲しくて…ッ」
約束、守らないつもりなの、フレッド?今年も海に行くって言ったじゃない。いっぱいマグルの映画を見ようって言ったじゃない。約束破るなんて、帰ってきたらひっぱたく………帰って……帰っ…
「ぅっ……っう……」
「………相棒の事、本当に好きでいてくれたんだよな。お前だけだよ、俺とフレッドを見分けて、俺と仲良くして、フレッドに恋して。一寸の狂いなしだよ」
そうジョージは言うと、膝をガックンと折り曲げて、私を力いっぱい抱きしめてくれた。私は涙が目から溢れ出したのが分かると、ジョージの背中に手を回して大きな声で泣いた。ロンもジニーも、私達に抱き着いて大きな声で泣いた。きっと、フレッドのママやパパもお兄さん達も、小さな弟も、大きな声で張り裂けるように泣いているに違いない。「遠くに行くなよ、お前危なっかしいんだからさ!」
お願い、フレッド。帰ってきてよ。
「新しい悪戯考えたんだけどさ、お前一緒にどう?」
なんで、どうして、フレッド……
「俺さ、お前に惚れたみたい!相棒と間違わないお前が…好きなんだ」
強く、抱きしめて…お願い……
「帰って来たら、真っ先に会いに行くから、待っててくれよな!」
「帰ったら、まず会えなかった分愛してやるよ!そうだな…ま、相棒が呼んでるから行くな!愛してる!」
会いたい
(You are my darling)