過去作品2

□二人なら
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 ある昼下がり、シグは木下でぼーっと、花の周りをくるくると回る二匹の蝶を見ていた。
 綺麗だなあ、と思うと、シグは不意に笑みがこぼれた。

「シグ!」

「あ、」

 お弁当を持って走ってくる貴女に対し、シグはその場から少し右にずれ、貴女が座る所を少し作った。その場に座り込み、お弁当の包みを広げ、色とりどりの色彩豊かなおかずが沢山顔を覗かせた。
 シグは相変わらず、花の上で戯れる二匹の蝶を見つめていた。

「蝶を見てるの?」

 うん、とシグが答えれば、綺麗だねっ、と言って口端を綻ばせた。

「ねー、」

「どうかしたの、シグ」

「この前ね、一面花畑の所見つけたんだー。蝶もいっぱいいたんだ」

「それは見てみたいね」

「今度行かない?」

「え?」

「二人で行きたいんだー」



二人なら、
(楽しいと思うんだ)





 

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