過去作品2

□その瞳に浮かぶものは涙だろうか?
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 くるみが死んでから、ナツの目は死に死に切ってしまってる。目に生気はなく、グレイが悪口を言っても聞く耳を持たない。
 毎日毎日、くるみの墓前に通い詰めてるらしい。
なら、告白すれば良かったじゃない


 私はナツにその一言すら言えないほど、ナツを怖がっているのかもしれない。












「くるみ・・・・」

 今日も墓前の前に立ち尽くし、何もしてやれなかった己の無力さに腹を立て、勢いよく地面を殴った。手の甲からは血が流れ出ていたが、ナツは所構わず地面を何度も殴りつけた。

「・・・・・ッ!!・・・・・畜生・・・」

 
辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い助けて辛い辛い辛い苦しいよ辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛いなぁ、くるみ・・・・

 
 狂ったようにブツブツ呟きかけ、もう一度くるみの墓前を見た。


「なぁ、答えてくれよ・・・・・
 俺、何してんだろう・・・・?
 何でこんなに苦しいんだ?辛いんだ?喉を突き破ればわかるか?
 俺、」
こんなにもくるみの事



「好きだったんだ・・・」


 目尻が微かに熱を篭るのを感じた。


 



 
「マスター、ナツ見ませんでしたか?」

その日、ナツが消えた



 

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