過去作品2

□君が消えたら崩れ落ちそうなんだ
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 俺は暗部として、木ノ葉の影として生きていく、きっと情もなんにも持たないで、ただ殺すのを生き甲斐として、毎日血の雨に滲み込むしかないんだ。

 相手の手をもぎ取り、目をくり抜き、抵抗したなら首を切り刻む。
 死んだら、死体はなかったように火遁を使って燃やす。唇にこびりつく人の脂肪が気にくわなくて、荒々しく仮面を剥ぎ取り唇を拭った。
 別に辛いとも思わなかった。苦しいとも思わなかった。
 ただ焼き払われる死体を見て、「今日も終わった」と呟いた。


 暗い川に溺れた気分だ


 晴れ晴れもせず、悲しくもなく、虚しい気持ちばかりだった。
 重い足取りで木の葉まで飛んだ。






「うずまき・・・くん?」


 門を開けると、そこにはくるみが待っていた。仮面を付けるのも忘れてた俺は、ただ黙って下に俯いた。
 くるみは暗部でもない、中忍格の、アカデミー時代の俺の初恋の人だった。

 俺の血の付いた頬を見たからか、くるみはハンカチを取り出して、俺の前まで来た。俯いてるとは言え、身長の小さなくるみには見上げる形になってしまった。


「う、うずまきくん、ど、どうかしたの?こんなに血が出て・・・・」


 痛いほどのくるみの優しさに、俺はアカデミー時代の頃のような淡い想いが、胸を微かに高鳴らせた。

 俺は無情に見下す形に近いのに、くるみは怯みもせず血を拭ってくれた。


「・・・・・・」
「・・・・・・だ、大丈夫?」


 流石に沈黙に耐えきれなかったのか、くるみはびくびくしながら質問してきた。
 上手い答えも見つからず、俺はただただ目を閉じた。
 「わ、私」とくるみは血を拭うハンカチを取れ、俺の目をしっかり見てきた。


「うずまきくんが怪我して帰ってのは、辛いです・・・・」


 
 顔を赤らめながら言うから、俺はくるみのハンカチを持つ手首を掴み、唇を押し当てる様にキスをした。
 触れるぐらいの時間でキスをし、くるみを抱きしめた。


「う、うずまきく・・・」
「わりぃ、もう少しこうさせてくれ・・・・」
「・・・は、はい・・・・」


 あの時から変わらない仕草が、俺の心をアカデミー時代に呼び戻す様だった。



 


そんな俺の気持ちを察したのか
くるみは腕を背中に回した




 

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