過去作品2
□彼女の墓前に立つまでは
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いきなりの雨に、正直驚いた。いきなり雲が現れて、いきなり雨が降り始めて、何かの前触れじゃないのかと思った。
俺はハッピーと窓から雨を見るように、桟に両肘を置いた。
ナツ「暇だー」
ハッピー「暇だー」
ハッピーを面白い半分で真似をしてきた。俺はハッピーと目を合わせ、ニッと笑いあった。
いつも五月蝿いグレイもいないし、ルーシィはどっか行くし、今のところ遊び相手はハッピーだけ、机の上にうなだれたって誰もいないからツッコミをいれない。
そういえば、
ふとふと頭に浮かんだ人物もいない事が今分かった。
ついこの間依頼に行って、昨日帰ってくる予定・・・・・あれ??
ナツ「昨日・・・・帰ってきたか?」
ハッピー「?ナツ、どうしたの?」
ナツ「ハッピー、くるみって帰ってきたか?」
「そう言えば見てないなぁ」とハッピーの言葉に対し、俺は返事も帰さず外を見た。
くるみはグレイともルーシィとも仲が良くて、フェアリーテールのアイドルで、皆を優しく包んでくれた。
ふとそんな思い出に滴りながら、くるみが帰ってきたらどんな悪戯をしようか考えた。
ルーシィが外から走って来るのが見えて、俺はルーシィの元に走った。
ナツ「ルーシィ!くるみ帰ってきたか?」
彼女の墓前に立つまでは
(大好きなくるみの前では)
(いつもの笑顔でいたかったのに)
(叶わなくて)
(くしゃくしゃに歪んみきった顔では)
(くるみの墓名も見れなかった)