過去作品2

□きっと思い違い
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 ドタドタドタドタドタドタ!!!
 バターンッ!!!(扉の開く音)


兼続「くるみ!!清々しい朝だ、早く起きr」
くるみ「毎日毎日うるせェエェエエエ!!!
兼続「グハァアアア!!!


 くるみの投げた枕が見事な程に、兼続の腹に入った。そんなやり取りを見ていた幸村は、「またですか」とため息がてら呟いて、肩を落とした。
 兼続は毎日、くるみを起こしに来るは、戦になったら戦になったで、ひっつきもっつきみたいに離れないで、


くるみ「不義じゃないの、その行動!」
兼続「何?!不義などではない!」


 くるみは大層ご立腹状態。誰だってうざがるだろうに。三成は見て見ぬふりをいつもする。
 「もう少しくるみ殿にお優しくは出来ないんですか?」と幸村が言うと、三成はいつもお気に入りの扇子を開きながら「馬鹿はほっとけば治る」と、適当に言いながら、扇子で兼続を本気で殴る。どうこう言いながら、過保護なのだ。


くるみ「もう、なんで毎朝来るの!!」
兼続「くるみが心配だからだ!」
くるみ「兼続がいること自体、心配なんだけど・・・
兼続「むっ、何を言うか!敵が来たらどうする気だ?!」


 兼続は毎回毎回、くるみにうざがれながらも、敵から守っていたのだ。しかし、戦歴を上げたいくるみにとっては、これまた可愛さ余って憎さ倍増。
 「その時はなんとかするの!」と、くるみは強がり半分で怒鳴り上げた。幸村や三成にとっては慣れているが、兵士たちにとっては、なんとまぁ、素晴らしいくらいの目覚まし時計。

 
兼続「そんなの、ダメだ!!!」
くるみ「もう、どうしてよ?!」
兼続「嫁入り前の体に傷なんて・・・不義だ!」
くるみ「お前はどこのおかんだ!!


 まるでくるみの反論には聞く耳持たず。しかし兼続は何故か小声でぼそぼそと言っている。
 くるみは冷やかすように、「なあ〜に〜?」と笑いながら、兼続に近寄った。ついでに枕を取りに行った。


兼続「・・・・だからだ。」
くるみ「へ?」


 枕を手に取った瞬間、兼続がくるみの頬に手を添えた。
 少し、真剣な眼差しの兼続に、くるみは胸が波打つのが感じた。


兼続「好いてる女性に傷ついてほしくないのは、"義"だろ?」
くるみ「・・・・・ッ!」


 兼続の台詞に、今度はこっちが声にならない叫びを上げた。

 え、何このシチュ。え?! 若干、くるみはパニクってしまった。
 間違いなく、顔が真っ赤だろう、くるみは顔に血が集まってくるのが分かった。




きっと思い
「さあ、子を育もう!!!」
「やっぱ死ね」



 

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