過去作品2

□女王様の君
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「さぁ、ジン!!酒をもっと持ってきなさーい!!」
「そうりゃぞ、ジィン・・・・くるみのいうりょうりだじょう・・・・」
「・・・・・・ハァ、もうウィスキーを10本も飲んだから十分だろ?キールも呂律回ってないし・・・・」


 ジンは空になったウィスキーボトルを一本持ち上げ、左右にゆらゆら揺らした。中身の酒はまだ残っているのか、ひそかに揺らす度に水音が響いた。くるみは「ばっかね〜」と言ってウィスキーボトルを一本、一気飲みをした。


「ジン〜まだ夜は明けないのよ〜」
「明ける以前に今から夜じゃないか?」
「じぃいん〜?俺とくるみはまりゃ飲みたんにぇえんだりょー!!」
「ゴメン、くるみもキールも頭大丈夫?」


 完全に酔ってる。ジンは静かにため息を零した。当たり前だ。早2時間この状態なのだから。ジンもウィスキーをたしかに飲んでいるが、くるみとキールには敵わなかった。
 ほんのり頬を染めながらどこぞの親父みたく、机に足をのし上げながらくるみはジンを見つめた。


「いい〜ジン?あんたキザ過ぎるのに、なんであんまりお酒飲まないのよ〜」
「いや、飲んでるよ・・・」
「もっと飲みやがれーーー!」


 そう言ってウィスキーボトルをまるまる一本口にくわえさせた。ジンはなんのためらいもなく飲んだが、少し気持ち悪くなった。


「う゛っ・・・・・」
「キャハハハハ!!もっと飲めーーー!!」
「そうりゃぞ、ジンー!!」
「くるみもキールも飲み過ぎだって・・・・明日仕事が出来なくなるぞ?」
「気にすんな!なぁに、酔いが覚めてりゃこっちのもんよ!ね、キール?」
「・・・・・・・グガーー・・・・・」
「・・・・キールはもう潰れたけど?」


 そうジンが言うと、くるみはつまらなそうに唇を尖らせた。


「ジン〜」
「ん、何?」

「キスしてよー」


 突然の言葉に、ジンは戸惑いの色を見せた。が、「いいよ」と一言漏らし、キスをした。
 少しの間ずっとしており、離れるや否や、くるみは酔い潰れた。


「・・・・・おやすみ、くるみ」


 そう言ってジンは二人の飲み干したウィスキーを片付け始めた。


女王様の君
「う゛ー、昨日のウィスキーボトル、まだ6本残ってなかった?」
「あ、あれ?全部貰ったけど?」
「・・・・・・お前は化け物か」



 

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