1日1ハロウィン!
□ゼス
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「……ハロウィン?」
古代人はよく分からん行事をやるものだな。目の前でぱたぱた足を揺らするう子を見ながらそう感想を漏らした。そうですか?不思議そうなるう子の声。
「豊作を祈るお祭りで、最近は……近頃見かけませんね」
「古代の行事とはいえ、1000年も前に廃された行事なんだ。見かけなくて当然だ」
そこでです。とるう子は何故か俺の前に紙袋を一つ置く。ハロウィンしましょう。……は?と開いた口が塞がらなかった。
「エキディナさんに許可はいただきました。さあ、ハロウィンの許可を」
「待て、話が見えん」
「見えなくていいんでこれ着てくださいよ」
と出されたのは昔見た兎のシルエットをした着ぐるみ。
家族でお揃いにしてみました。と嬉しそうにるう子は言っているが、正直そんなことどうでもいい。マイラは似合うだろう。だが、俺とエキディナではどうもアウトのような気がする……!
「るう子、少し考えさせてほしいのだが」
「マイラちゃん、楽しみにしてましたよ」
グサッ
「ゼスさん忙しくてマイラちゃん寂しそうだったなぁ」
グサグサッ
「エキディナさんも、悲しむだろうなあ……」
わざとだろ絶対!
にやにや笑うるう子にあきれ気味に声をかける。一時間だけだからな。呟いた言葉にるう子は更に口角をあげた。