1日1ハロウィン!

□康太
1ページ/1ページ



「吸血鬼?ドラキュラ?」


あっれおっかしーなー、確か召還獣の不具合は直ったはずなのに、また召還獣の不具合?ムッツリーニと同じ背くらいの召還獣を見ながら、ムッツリーニの姿を探す。あれ、いない。


「まさか亡霊……!?」

「…違う」

「喋ったァーっ!!」


しかも亡霊否定とはなんて図々しい召還獣なんだ!オカルト的面があるんだから亡霊に等しいでしょ!?


「……るう子、ばか?」

「なんてド痛いところを突くんだ!って…ムッツリーニ?」


仮装だ仮装とムッツリーニは吸血鬼もどきの服装でくるりと回った。ああ、なるほど、仮装ねー。……10月31日?


「……ハロウィン!?」

「…遅い」

「いやだって学校でハロウィンって!」
 
よく見たらFクラスのメンバーが全員仮装している。確かに、瑞希は召還獣になかった恥じらいがあるみたいだし本物か。
いやあごめんムッツリーニ、と苦笑しながら言う。と、ムッツリーニが紙袋を渡してきた。


「…るう子の」

「え?」

「似合うはず」


私が知らないこと前提で持ってきてくれたのだろう。塩辛い水が口の端を通るぜ、友よ。ありがとうと受け取り、袋の中身を見る。さあ、中身は何かな!

ガサッ(猫耳カチューシャと尻尾)
ガサッ!(袋に入れ直す)

まじでぐれてやろうか。


「……ムッツリーニぃ、」

「…?」

「これはなんの仮装かなあ?」


一応弁明は聞いてやろう。
ムッツリーニはこてんと首を傾げ、さも当たり前のように口を開く。


「猫耳メイド尻尾付き仮装」


ハロウィン関係ないじゃないか!
なにを期待してんだお前は!


 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ