過去作品

□すももVSもも
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「だぁああ!すっぱいではないかぁ!!」

「甘っ!!太公望、これ甘すぎ!熟し過ぎだよ!」

 今朝、こんな事が起きた。二人してお互いの好きなものを交換して食べてみようと発案したからであった。太公望はすもも、私は桃を食べた。

 ところがどっこい。これがまたミスした訳。すももは元々外側がすっぱい。中側も時折すっぱい物があるが、私はそんなすももが好きだった。
 逆にももは、独特の匂いと食感。決定的は差は甘いこと。甘党の太公望は大好きだった。

「す、すももはこんなにもすっぱいものなのだな…」

「本当に同じ桃なのか疑っちゃうくらい、味が違うんだね…」

「味が違うのは当たり前ではないか。」

 そりゃあ、そうだけど。
 私がそう言えば、太公望は食べかけのすももをじっ、と睨みながら、こっちを横目で見てきた。正直、穴が開きそう。
 私は残りの桃を地道ながら、もしゃもしゃと食っていると、太公望が話し掛けてきた。

「のう、」

「んー」

「すももは好きか?」

「ひょーひゃへほ?(そーだけど?)」
 
 私の答えを聞くなり、太公望は自らの口目掛けてすももをほうり込んだ。あれほど、すっぱいすっぱい、と叫んでいたものだから、てっきり私にくれるのかと思った。
 太公望は「すっぱい」と時折呟きながら、口を動かしていた。

「…たまには、桃も良いかな」

「わしはもうすももは勘弁じゃ。お主が好きと言うのだからむしゃくしゃして食べてたが…」

「ん、何か言った?」

「何も言っとらん」

 ……変な太公望。



すももVSもも
(結果、引き分け!)



 

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