過去作品

□アルコール度数100
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 酒に溺れる。まさしく理想だな。
 目の前にある様々の酒類に、俺は思わず口の端がゆっくり上がった。予想外だが、こっちの世界に沢山の酒類があることに驚いた。見覚えのある酒もあれば、知らない名前の酒もあった。沢山の次元から持って来たんだな。好都合だな!他の世界の酒ってどんな味がするか知らなかったんだよな。楽しみだぜ!



▽2時間後



「ウルフ〜…フォックスが探し………酒臭!えっ、凄い充満してますけどちょっとぉおおお!!!」

 ウルフは机の上に酒瓶を一升持って、俯せていた。運悪く入ったくるみは、鼻をつまみたくなるような臭いに、正直顔を歪ませた。
 一歩踏み出せば、ウルフが飲み干したであろう酒瓶を一個蹴ってしまった。ウルフの近くまで辿り着くなり、ウルフの体を左右に揺すった。

「ウルフ!ウルフ!いきなりどうしたの!」

「おー、ウルフ見つけたか!探した…………ぎゃああああ!!さ、酒臭ぇええ!!!」

「フォックス!そんなこと言う暇があったら起こすの手伝って!」

 更に運悪く、ウルフを探していたフォックスまでもが登場した。駆け足で駆け寄り、フォックスはウルフの肩を掴み、前後に揺すった。

「どうしたんだよ、ウルフ!!やけ酒か!?フラれたのか!?」

「フラれ……!?ウルフ、好きな人いたの?」

 ぎゃー、ぎゃー!
 …………ウルフの手元にあった酒瓶が、静かに音を鳴らしてひびが入ったことに、くるみとフォックスは気づかなかった。

アルコール度数100
(うっせぇ…)
((あっ、起きた))



 
 

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