過去作品

□常識知らずの君
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 今、すっごく手を繋ぎたい奴がいる。恋人のくるみ!可愛くてモテモテな自慢な彼女。ついこの間告白したはOKを貰った。つまりまだ付き合って間もない。

 だが、僕等は今だに、キスも抱きしめあうのも、手すらも繋いでない・・・・!!

 いざ言ってみたら、


「はい、ロイ♪」
「・・・・・いやあの・・・くるみ;;;」


 友達繋ぎ。いやあの、くるみ?!その笑顔は確かに可愛いけど、僕等恋人だよね?!恋人だよねェエェエエエ?!

 そこでリンクに相談してみた所。


「しかたない」


で片付けられた。まぁ、確かにくるみは天然、そして鈍感の扱いにくいやつだけど・・・・・リンク。それだけって酷くないか?!

 次にマルスに相談してみた所、


「自分からしてみたら?」


と言われた。いや、言いましたよ。ちゃんとくるみに言いましたよ。んでも待てゴラ。自分から言っても駄目だから相談してんだよ!!
 
 そう言った所、マルスはため息を零し、紅茶を口に含み飲み干した。


「だから、」
「?何だよ・・・・」
「自分から恋人繋ぎしたらどうなの?」


 ・・・・・・・・!!


「・・・・・まさかヘタレ過ぎて自分からは出来ないから許可をもらわなきゃなんて思ったわけ?」
「・・・・ご最もです。」


 マルスは僕の心を読み上げた如くスラスラを喋った。

てか


「ヘタレじゃねッ「あ、くるみ」?!///」
「あ、マルスさんにロイ。何してるんですか〜?」


 タイミング悪ッ。
 僕は真っ赤になった顔をくるみから見えないように反らした。するとマルスがニヤニヤとしながら、僕とくるみを交互に見た。


「くるみ。」
「あ、はい?」
「ロイと君は恋人なんでしょ?」
「はい。」
「ロイが恋人繋ぎをしたくて堪らないんだってさ♪」
「なッ?!馬鹿、おま・・・・!!」

 
 マルスはそれでもにこやかに笑っていた。確かにマルスが言ったから、くるみも自覚したのか、少し下に俯いた。そして、僕の方を見た。


「ロイ、」
「な、なんだよ・・・・・」
「恋人繋ぎって何ですか?」


 ・・・・・・そこからの説明が必要なわけ?!

 疑問そうな表情のくるみとア然とする僕と、マルスの小さく笑みをこぼす顔が虚しさを引き立てた。
 あのさぁ、くるみ・・・・・・もう少し世間を知れよーーー!!!



常識知らずの君
「あの、ロイ?」
「うわぁー!悩んでた僕が馬鹿みてぇじゃん!!!」
「クスクス・・・・・」




 

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