過去作品
□ありふれた恋心
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夕焼け、いくつかの陽炎
君の影、いつの日か蜃気楼
「楊ゼンさん、どうかしましたか??難しい顔ばかりして・・・」
「いや、何でもないよ。」
君はいつも僕の身をあんじてくれる。それが僕にとって、どんなに嬉しい事なのか、どんなに虚しい事なのか、君は気付きもしないでしょうかね??
優しい君にとって、僕はただの“お友達”。僕にとって、優しい君は“一人の女性”。
まるで、歯車の針が絡み合わないみたいだね・・・・・。
こんなにも、君を想うのに届かない。
「楊ゼンさん。今日はお休みしませんか??
太公望さんを見つけて、仕事を押し付けておきますから(^^)」
「いや、良いんだよ、くるみ。スースも、やるときにはやる人だからね。」
僕はそう言ってペンを手に取った。
気持ちを紛らわすには、丁度良い。
するとくるみは、顔を赤くした。目線の先には、君の想い人。
「あれ、くるみじゃねェか!!」
「は、発さん・・・・・////」
ほら、君は僕に見せない笑顔で笑いかける。
ありふれた恋心
(君は僕の世界に土足で立ち入って)
(僕の恋心を奪うのか??)