過去作品

□大嫌い、大好き
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くるみ「望ちゃんなんか、大嫌い!!」
太公望「わしもおぬしの事など、地球が出来たその日から、嫌いだ!」


 ガタン と机の上に乗り掛かる様な体制のくるみと太公望。その顔は怒りに満ち溢れていた。


天化「二人共ストップさ、」


 二人を制裁してきた天化が、二人の間に割り込んだ。


くるみ「だって、天化!!望ちゃんは...望ちゃんは......!!私の桃まん食べたもん!!
太公望「たわけ!!おぬしが机の上に置いとくのが、いかんのだ!!」
天化「.......;」


 制裁側も呆れる理由。
 それほど、二人の仲は悪かった。犬猿の仲とは、まさしく二人の為にあるような物だった。もちろん二人は仲直りもせず、次の日も喧嘩する程だった。


くるみ「もう良いもん!!もう望ちゃんと口聞かないからね!!」
太公望「それはこっちの台詞だ!!」


 けど、これ程の喧嘩は初めてだ。いつもなら互いで言い合い、暴れ始めるのがオチだが、今日はそんな事もなかった。
 二人は互いに背中を向け合った。


太公望「わしはもう、主の顔など見たくないわ。」


 太公望の言葉に、天化は内心ガッツポーズをした。これでいつもの二人になる!!

なァんて、今日は違った。


くるみ「・・・・・そっか、」
天化「へっ?あ、ちょ、くるみ?!」


 そう一言漏らし、扉へ翔けて行った。


楊ゼン「スース。このしょ・・・・・わッ」


 時悪く、楊ゼンが扉を開けたと同時にくるみは、楊ゼンに当たってしまった。けれど、直ぐさま体制を立て直し、どことへなく翔けて行った。


天化「ちょっ・・・・・・スース、いくら何でも言い過ぎさ!!」
太公望「・・・・・。」
天化「・・・・・・喧嘩の理由、一体何だったさ?」
楊ゼン「・・・・・天化君。僕はちょっと行ってくるよ。」


 楊ゼンはそう一言、言い残しその場から立ち去った。二人の間に長い沈黙が流れた。


太公望「・・・・・・つが、」
天化「へ?」


太公望「あやつが、わし以外の男に、わしに見せる笑顔より可愛いのが、腹立っただけだ。」


ようするに、


天化「あーたの馬鹿げた嫉妬が原因さね。」
太公望「ΣΣし、嫉妬などしておらん!!」
天化「でもまぁ、謝るのが一番さ。」
太公望「・・・・・・・よし、」


 そう言って太公望は立ち上がり、扉の方へ歩み出した。


太公望「今までの喧嘩の分を、すべて返してくる。
 ・・・・・・抱きしめて、キスをしてからの。」



大嫌い、大好き

柳の木下で、
泣く彼女を抱きしめた。



 

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