過去作品
□ほのぼの日和
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「―――・・・・あっ、」
くるみは、遠くで釣り糸を垂らしながら、ボーッとしている太公望を発見した。くるみは少し、その場で立ちすくみながら、太公望に静かに近寄った。
そっと、そっと、気付かれない様に近寄り、そして・・・・・・・!
「望ちゃーん!!」
「ΣΣぅおっ!!」
勢い良く抱き着いた。案の定、太公望はギリギリ落ちずに済み、力みに力みきっていた。
「は、はよう離れい・・・・・・・;;」
「エッー、いいじゃん。恋人なんだしぃー。」
「いや、・・・・・そう言う意味じゃのうて、」
太公望は、限界になり、前に倒れかかった。否、くるみも道連れに、落ちて行った。
バシャーン!!
二人を包む様に、水しぶきが上がった。そして、二人は同時に顔を上げた。
「ぷぅ!・・・あはは!やっぱり冷たい・・・・・・・・・」
「おぬしのせいであろう!くるみ!?」
「・・・ムゥッ・・・・・・だって望ちゃん、釣りばっかして、暇だったんだもん・・・・・」
くるみはそう言って、子供の様に拗ねた。それはかわいらしく、太公望には十分過ぎる程の、刺激であった。
太公望は深くため息を付き、くるみに近寄り、肩に掛けていた服を掛けてやった。
「着ておれ。その格好では、男としての理性が持たんからな・・・・・////」
「・・・・・・・へっ?・・・・・・・・!!??////」
今更だけど、服はびちゃびちゃで透け通っていた。くるみは仕方なく、その服を掛けた。そして、少し微笑みながら、
「びちょびちょ・・・・クスクス」
と、言った。太公望はくるみの方を見て、茹蛸の様な顔になって行った。
「・・・・ΣΣΣなっ!/////だ、誰のせいだと思っておるのだ!///笑うでない!////」
くるみは高らかに笑いはじめた。それにつられて、太公望も小さく微笑んだ。
「て、言うか望ちゃんは何考えてたの?」
「・・・・・・さぁのう。」
上半身の服を枝に引っ掛けた太公望は、再び釣りに集中した。
くるみは、服を全部脱ぎ、下着と太公望の服のみとなった姿で、太公望の隣に座った。太公望は見ない様に、頑張った。
「でも、望ちゃんはいっも考え事してるから、釣りしてるんでしょ?」
「・・・・・まぁのう。」
くるみは仕方なく、太公望の肩に寄り添い、小さな寝息を立てた。
ほのぼの日和
「無自覚娘め・・・・」
太公望は深いため息を落とした。