過去作品2
□元旦:悪戯仕掛人
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「オーイ、シリウスー!皆いた?」
「ダメだ、何処にいるのかわからねぇ」
「全く、せっかくの元旦だから、学校抜け出してマグルの"神社"ってやつ見に来たのに、あの四人が迷子だなんて、信じられないよ!」
「……(明らかにジェームズ、お前と俺が迷子だ)」
「あー、リリー何処だー。僕のくるみもー、リーマスもピーターもー」
「捜せばその内見っかるからよ、マグルの前でだらし無くうなだれんな」
「愛しい愛しいリリーとくるみがいなきゃ、僕死ぬぅー……」
「勝手に死んでやがれ」
「ひどっ!!!シリウス、君最悪だよ!!!この女たらし!!!」
「テメェ、ジェームズ!!!」
「兄さん達何処でしょうか…」
「ジェームズの事だよ、きっと自分が迷子なのに気付いてないよ」
「シリウスさんは?」
「あえて言わない」
「リリーさんも、ピーター君も、マグルの人波に押されてくたくたですからね」
「私も疲れてますよ」
「本当に?」
「半分、だけですがね」
「残りの半分は?」
「楽しい、ですかね」
「人波に押されてですか?」
「うーん…不正解」
「残念、自信あったのですがね」
「君、面白いこと言うね。ジェームズの妹にするのはもったいないくらいだよ」
「褒めてくださり、ありがとうございます」
「………」
「どうかしましたか?」
「今、聞き覚えのある声が…」
「え?」
「だーかーら!!!俺達が迷子なんだよ、お れ た ち が !」
「シリウス!僕らが迷子?どこに根拠があるんだい?」
「この状況全てが根拠だ!!!」
「そもそも四人と分かれたのは、シリウスが頭打ったからだろ!」
「俺のせいか!?」
「いました…」
「リリー、ピーター、君もそろそろ行こうか」
「え、兄さんとシリウスさんは?」
「放っておけば良いわ」
「あ、あああ後から怖いですよ…」
「ピーターさんは優しいですね」
「怯えてるだけだよ」
「あんな馬鹿な兄を持つ貴女が可哀相よ、私は」
「兄さんは馬鹿ですか?」
「筋金入りのね」
「さ、そろそろ出発しようか」
「ひぃいいい」
元旦:悪戯仕掛人
(おい、あれリーマス達じゃねーのか?)
(本当!?愛しのリリー!!!愛しのくるみよー!!!)
(ヤバッ、馬鹿が走ってきた)
(逃げる?)
(や、止めましょうよ…!)
(気長に待ちましょうか)