過去おまけ掲載文
□おまけ
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「ほら、早くお菓子を渡さないとイタズラするよ?」
口の端を意地悪く引き上げて笑いながら、催促するように博士はそう言った。
「えっ!?き、急にそんなこと言われても…私、お菓子なんて持ってません…」
「あるだろ?君のその口の中に。」
「ええっ!?」
ピッと指を指し向けられて、彼が何を言おうとしているのか、それで気が付いた。
「ああ、勿論、口移しでね?」
ニコリと笑われ、釘を刺される。…先手を打たれてしまった。
「ほら、早く。それとも君は僕からの『イタズラ』をご所望かな?」
それは…勘弁です。
彼からの行為は、キスだけじゃすまなくなるから…
「‥わ、分かりましたよ…」
諦めのため息を吐き、ユウは観念すると、ソファーに座る彼の前に進み出た。
向かい合わせになり、彼の肩に手を置いて、おずおずと顔を近づけていく。
「…ん…」
軽く触れ合う唇。
次第に繋がりを深くしていき、唇を割り互いの舌を絡ませる。
「…ン…はぁ‥ふぅ…んっ…」
舌とアメが互いの口内で、激しく行き交っていく。
そのキスの甘さに、腰が砕けそうになるのを、博士の大きな手がそれを支えた。
彼に腰を引き寄せられれば、更に繋がりは深くなる。
「…ンッ…ンッ…はぁ…っ…」
長い長いキス。
アメと自分を十分堪能すると、彼の激しい攻めからようやく解放された。
「…はぁ…はぁ…」
酸欠で頭がぼうっとする。
放心したままでいると、飲み込みきれずに口の端から溢れた唾液を、博士に舌で掬い取られ、ペロリといやらしくそれを舐められた。
「ご馳走さま。」
満足そうに満面の笑みを向けられ、恥ずかしくて彼の胸に顔を埋める。
「ふむ、こういうハロウィンも、たまにはいいね?」
「…私は‥普通のでいいです…」
この人に掛かると、聖なる日もいやらしい行事に変わるらしい。
これからは、気を付けよう…
そうは思っても、きっと無駄な抵抗になるのだろうなと、ユウは心の中で密かに嘆いた。