過去おまけ掲載文

□おまけ
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無印後とburstの間あたりの博士との話。
恋人設定なので最初からイチャイチャ。


◇◆◇◆◇◆


「百合という植物には、色々と不思議な説話があってね…」

そう言ってサカキ博士は、何やら講釈を始めたが、
正直なところ話どころではなかった。

いつものように、彼とのお茶会。

最近、二人とも忙しくなって、ゆっくりと二人きりで過ごす時間がめっきり減ってしまった。

支部長代理と第一部隊の隊長。

立場ある人間なのだから、そうそう会えないのも仕方ないのだろうが、
それが少し寂しく感じてしまう。

ようやっと、今日その時間が取れたというのに、どうしてでしょうか、
ゆっくりどころか非常に落ち着くことが出来ません。

まあ、理由は簡単なんだけど…

「あの…博士。そろそろ下ろしていただけませんか?」

軽く睨み付けながら、そう抗議してみた。

自分は今、彼の膝の上に、
横抱きの状態で座らされている。

必要以上に顔が近いし、密着度も高いので、
はっきり言ってお茶どころではない。

「どうして?」

「ど、どうしてって…
これじゃあ、お茶が飲めません…」

「僕が飲ませてあげようか?」

そう言って、博士はテーブルから湯飲みを取ると、
小さい子にするように自分に飲ませようとする。

「い、え‥いいです…お茶いりません…」

手にした小皿に乗る、百合の練りきりを大人しく食べる。

恋人同士なのだから、今さら恥じらうこともないのかもしれないが、
それでもこういう密度濃い目のスキンシップはいつまでたっても慣れない。

そんな様子に焦れたのか、博士は腰に回した手をギュッと引き寄せ、更に身体を密着させてきた。

「は‥はは…博士!?」

「百合はね…」

耳元で囁くように、話しかけられる。

「純潔や清楚というイメージが強いけれど、
あれの説話の中には、百合は喘ぎ声を好むという、淫靡なものがあってね…」

そう言って彼は耳を食み、更に舌でなぶる。

「…んっ!」

「君は僕にとって百合のような存在だよ。純真で無垢けれど…ひどく淫靡な気持ちにさせる。」

「…博士‥」

最後に甘噛みされ耳から博士の口が離されると、
『今日は泊まっていきなさい』と甘く囁かれた。

真っ赤な顔でそれに頷く。

やっぱり、彼には敵わない。

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