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□おまけ
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burst後のブレンダンとのお話。恋人設定です。
新婚さんコント?
◇◆◇◆◇◆
久しぶりの二人揃っての休暇。
何処かに出掛けようか、と提案してみたところ、彼から自分の手料理が食べたいとのリクエストを受け、現在鋭意制作中であったりする。
今日のメニューは、塩漬けの肉を使ったアイスバインと、マッシュポテト。
それと、彼の好きなコーンブレッドを作るつもりだ。
本当は、日本料理を食べさせてあげたかったけど…
でも、まずそれは無理。
材料がないというのもあるし、何よりそこまで自分は料理の腕はない。
ジャガイモの皮を剥いていると、すぐ傍にブレンダンが近付き、その様子を何やら感慨深げに眺めている。
「なに?」
「ん?いや、何か良いものだなと…思ってな。」
小首を傾げ、彼を見つめると、照れたように笑い返された。
「家庭の温かさ…ってやつか。随分と、遠ざかっていたものだからな。」
照れ隠しか、ブレンダンはまな板の上に置いたジャガイモの一つを取ると、手の内で遊ばせながらそう言った。
「国も、家族も…恋人も失って、流れて極東まで来たが、なんだかようやく居場所を見つけた気がするよ。」
「ブレンダン…」
「故郷から遠く離れた地だが、あんたみたいな可愛い恋人に出会えたんだ。無駄な放浪ではなかった。」
そう言って、彼はとびきりの笑顔を向けた。
…全く、こういう恥ずかしい台詞を、臆面もなくこの人は口にするのだから、こっちは参ってしまう。
「いっ!?」
小さく痛みの声をあげた。
彼に気をとられ、手元が疎かになってしまったため、誤って指を切ってしまった。
赤い筋が、排水溝に流れていく。
「大丈夫か?」
「ん、平気、平気。すぐ止まるから。」
キッチンペーパーで、傷口を押さえながらそう言うと、ブレンダンにその手を取られ、傷のある指を彼に食まれた。
「ぶっ、ブレンダン!?」
傷口を舌で舐め、優しく指を吸い上げる。
「…ッン!」
その官能的な動きに、思わず声をあげてしまう。
ブレンダンは指から口を離すと、彼らしからぬ不適な笑顔でこちらを見据えた。
「…極東では、新妻が旦那に対して、こう聞くんだろう?風呂か、飯か、それとも…」
身体を引き寄せられ、唇が触れあうすれすれのところで、話される。
「俺は、お前が欲しい。」
そのまま、深く口付けられた。
ご飯はまた今度になりそうだ。