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□おまけ
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burst後のカレルとのifのお話。恋人設定です。
◇◆◇◆◇◆
明日は、リンドウとサクヤの結婚式。
支部全体お祝いムードで、非常に喜ばしいことなのだが、一つ悩ましいことが自分にはあった。
……服がない…
そういった、固い場所に出席する為の、礼装のようなちゃんとした服を、
一着も持ち合わせていなかったことに、今になって気が付いた。
うぅっ…どうしよう…
こんなことなら、パーティードレスの一つでも新調しておくのだった。
アリサに服を借りるか…
胸とかウェストとか、サイズが色々気になるが、それはもう仕方ないということで、無理矢理着させてもらことにしよう。
うん、そうしよう。
早速、アリサの部屋へ向かおうと、ベッドから降りた時、部屋のチャイムが訪問客が来たことを知らせた。
「はーい、どなた?って、カレル?」
扉を開けると、カレルが大振りな箱を脇に抱えてそこに立っていた。
「どうしたの?こんな時間に?」
「まあ、ちょっとな。とりあえず、中入れろ。」
と、一方的にそう言うと、まだこちらが了承もしていないのに、部屋の中へとずかずかと入っていく。
こういう俺様なところは、恋人になっても変わらない。
ソファーにドカッと座り込むと、カレルは手にした箱をこちらに投げ付けた。
「やる。開けてみろよ。」
訝しげに受け取ったそれの、包装紙を剥がし、中を開けてみた。
「…えっ?これって…」
箱の中身は真新しいドレス。
コバルトブルーが鮮やかなサテン地の、パーティドレスが中に収まっていた。
「どうせ、お前のことだ。ドレス用意してなかっただろ?」
「う゛…」
図星をつかれる。
流石は恋人というところか。
「着てみろよ。」
「えっ!ここで!?」
「そう、ここで。」
ニヤリと意地の悪い笑みをこちらに向ける。
こういう顔をする時は、引かない時だ。
「…分かったわよ。ちょっとあっち向いてて。」
「了解〜♪」
彼が後ろを向くのを、確認してから服を脱いだ。
ヒヤリとした裏地が肌を撫で、ゾクリとする。
腰のホックを留め、くるりと回ってドレスを確認してみた。
丈もウェストも、しつらえたようにぴったりだ。
「すごい…ぴったり。」
「毎晩、触ってるからな。」
いつの間に傍に来ていたのか、カレルに後ろからそう囁かれた。
「かっ……ンッ!」
離れようとした腰を引き寄せられ、強引にキスされる。
息が苦しくなるまで彼は堪能すると、ようやく解放された。
「っはぁ…カレ‥ル‥」
「…男が女に服を贈るのは、その服を脱がせたいっていう心理からなんだと。独占欲の表れだな。
だから…」
抱き締めたまま、カレルは口を耳に近づけ、
『あんたは、俺のもの』と妖しく囁いた。