黎明の夢 外伝

□迷走
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「―っ!?ハガンコンゴウ!!しかも、四体も!?」

禁忌種の強襲に事態の深刻さに気付いたサクヤが、素早くステラスウォームを構えハガンコンゴウに狙いを定める。

「……うふ…うふふふふっ…」

「ユウ?」

すっくと立ち上がりほつれた肩口の服を縛り留めると、ユウは不気味に笑いながらサクヤの方を一瞥する。

「ねぇ…サクヤさん…これはもう、"やっちゃって"もいいですよね?いいですよねぇ?」

「え…?何を?」

彼女の返事を待つことなく、ユウは手にしたマンイーターの切っ先を群がるエテ公に差し向けた。



「あぁったまきたぁ!!
――神機覚醒ッ!!!!



マンイーターの力を一気に解放し、集束させた力を団子になって降りてくるハガンコンゴウ達に容赦なく叩き付ける。




ドガァアッ!!!!



炸裂する弾頭。
マンイーターの必殺の一撃に四肢を砕くだかれ、血肉を飛び散らせながら、四体の金色のコンゴウは纏めて屠られた。

爆轟が収まった後残されたのは、阿鼻叫喚、死屍累々な地獄絵図。

斯くて、乙女の貞操は守られたが、代わりに何か大切なものをなくしたような気にユウはなったのであった。




「…いてて、何かこの作戦、失敗だったな…リンドウさん来ないでアラガミが来ちゃうしさぁ…」

コウタは鼻に詰め物をしながら、無責任にそんな評価を下す。

「…コウタく〜ん、何か他に言うことはないのかな?」

「そうですね…今回のミッションの発案者はコウタなんですから、ちゃんと責任取ってもらいましょうか?」

「うぇっ!?何で!?」

じりじりと、ユウとアリサは不敵な笑みを浮かべながら、狼狽える少年に躙り寄る。

「お尻触りましたよね?」「胸(生乳)揉んだよね?」

「ちょっ!たんま!?あれは不可抗力…さ、サクヤさん!?」

コウタは堪らずサクヤに助けを求めたが、彼女は決まり悪そうに少年に向け合掌のポーズを取るだけだった。

「そ、そんな、殺生な!!」

「「問答無用ッ!!!!」」



きゃああぁ〜〜〜ッ!!



境内に悲痛に響く少年の叫び。

この時、女性陣に施されたコウタのお仕置きは後に、『Let's!!くるみ割り!!』という呼び名で語り継がれることとなり、アナグラの男性陣を震え上がらせるものとなるのだった。
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