過去おまけ掲載文
□おまけ
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彼の照れる顔も、優しく触れる唇も、全部自分だけのもの。
この人と通じ合い、意外に自分が独占欲の強い人間であったことに気が付く。
「それに、私がこんなことを言うのは、博士に対してだけですよ?」
この身もあなただけのものなのだと、そう告げた。
その言葉を聞くや、彼は益々顔を赤くし、『…また、そう言うことを簡単に言う‥』と、照れくさそうに視線をさ迷わせる。
「…なら、僕からも言わせてもらうけどね…
こんな風に、甲斐甲斐しく接する女性は、後にも先にも君以外にはいないよ。」
「ふふ、光栄です。」
互いが互いを『ただ一人の人』と認め合う。
清廉潔白な想い。
ホワイトデーに交わす睦言に、これ程相応しいものはないだろう。
「愛してる。」
「愛してます。」
互いの想いを確かめ合うように、再び唇を重ね合わせた。