しゃぼん玉

□賑やかな図書室
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本日は、図書室にて委員会だ。


と言っても、ただカウンターに座って返却と貸出をするだけだが。



放課後の図書室はあまり人がいなくて、少々寂しくもある。


開け放った窓から聞こえるグラウンドの声が、実に青春らしい。



私は運動部の掛け声をBGMにしながらカウンターで本を読んでいた。


すると、扉が開く音がし、同時に少々騒がしい声が聞こえる。




「10代目っ!俺、10代目のためにありったけの資料を集めてきます!!」

「ちょっ、そんなにたくさんいらないから!というか、図書室だから静かに……!」


なるほど、1人は若干不良、1人は常識人か。不思議な組み合わせである。




私はそんなことを思いながら、入ってきたススキ色と銀色の頭をぼーっと見ていた。

















「あ……あの、これ、借ります……」

『あ、はい』



返事をして顔を上げると、そこにはススキ色の髪の少年がいた。



私はあ、と思った。


どこかで見たことのある頭だなぁと思っていたが、そう言えば彼は……、



『沢田くん……だよね』

「え、?な、なんで知って……」

『あ、1年の時同じクラスでした』

「え、えぇっ!?」


ご、ごめん!と慌てて謝る沢田くんに、私も思わず慌てて手を横に振った。




『そ、そんな気にしなくていいよっ。そんなに目立つ方じゃなかったし』

「本当、ごめんね……?」

『ううん別に、』


いいよ、と言おうとしたら、傍らにいた少年がギロリとこちらを睨んできた。



「てめぇ、何10代目に謝らせてんだ!!」

『えぇ!?』

「ちょっ、獄寺くん!俺が悪かったんだから……!」

「いや、いけません10代目!どこの誰だか知らねぇが、10代目に頭を下げさせるような輩はいちゃいけないんです!!」

『え、あの……私、君とも同じクラスだったけど……』



獄寺くん、だよね?と確認をとれば、獄寺くんは拳を固めたままぴたりと止まった。



というか、沢田くんと同じクラスだった、って時点で気付かなかったのか……。




「……なんか……悪ぃ……」

『え!いや、き、気にしないで……っ』



何だろう、なんか謝られてばっかだ。



他に図書室にいた人たちは、獄寺くんを見た途端にさっさと帰ってしまった。


ここに来るのはどちらかと言うと大人しい人たちだから、彼が怖かったのかもしれない。


私は別に自分が悪いわけでもないのに、なんだか申し訳なくなってしまった。




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