しゃぼん玉
□これが日常
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「おっはよー私の真衣!!超キュート!笑顔がまっぶすぃー!!」
『え、うざい』
「え、ひどい!!」
何やら奇妙なポーズをとりながらウインクをかますここちゃんに、私は思わず思ったままを言ってしまった。
ごめんね、と謝ると間髪いれずにいいよと返ってくる。何それすごい。
可愛いなぁ、と思いながら、笑って『さっきそこで雲雀さん見たよ』と言うと、私への猛烈な愛の告白を叫びながら(「真衣大好き愛してるううう!!」とかなんとか……)廊下を駆け抜けていった。
大方、応接室にでも行ったのだろう。あの子は、雲雀さんラブだから。
私はもう1度くすりと笑い、自分の席へとついた。
今日も平和だ。
***
「んでねっ、んでねっ!!雲雀先輩ったらね!!おはようございます、って言う私に「うるさいのが来た」って嫌そうに顔しかめたのーっ!!超可愛かった!!」
『………へぇ、そう……』
「うんっ!私のことちゃんと覚えてくれてたみたいで安心したよー」
へへ、と頬を染めて笑うここちゃんは最高に可愛いけれど、言わせていただきたい。
……かれこれ1年と半年も追いかけられて愛の告白をされれば、誰しも名前くらい覚えるのではないだろうか。
私がそう言えば、ここちゃんはまったく気にしてない様子で「そう?」と言った。
何この子、超ポジティブ。
『ここちゃん、雲雀さんのこと本当に好きなんだね』
すごいな、と笑う私に、ここちゃんは雷に打たれたような顔をした。
「そっそんな……!ああ、妬かないで真衣っ!!私もどちらかを選ぶなんて、そんなことできないの……っ!!」
『安心して妬かないから』
即答でそう言うと、ここちゃんは複雑そうな顔をして「そっか……へへ……」と言っていた。心なしか若干泣きそうになっている。
『……でも、私放って雲雀さんばっかり構わないでね?』
「!!真衣ー!!マイスウィーツ嫁えええ!!」
『なんで嫁だけ日本語!?』
「英語わかんない!!」
『ばか!?』
とりあえず、抱きついてきたここちゃんの頭を撫でておきました。よしよし。
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