しゃぼん玉

□これが日常
1ページ/2ページ


「おっはよー私の真衣!!超キュート!笑顔がまっぶすぃー!!」

『え、うざい』

「え、ひどい!!」


何やら奇妙なポーズをとりながらウインクをかますここちゃんに、私は思わず思ったままを言ってしまった。


ごめんね、と謝ると間髪いれずにいいよと返ってくる。何それすごい。



可愛いなぁ、と思いながら、笑って『さっきそこで雲雀さん見たよ』と言うと、私への猛烈な愛の告白を叫びながら(「真衣大好き愛してるううう!!」とかなんとか……)廊下を駆け抜けていった。


大方、応接室にでも行ったのだろう。あの子は、雲雀さんラブだから。




私はもう1度くすりと笑い、自分の席へとついた。






今日も平和だ。











***






「んでねっ、んでねっ!!雲雀先輩ったらね!!おはようございます、って言う私に「うるさいのが来た」って嫌そうに顔しかめたのーっ!!超可愛かった!!」

『………へぇ、そう……』

「うんっ!私のことちゃんと覚えてくれてたみたいで安心したよー」



へへ、と頬を染めて笑うここちゃんは最高に可愛いけれど、言わせていただきたい。



……かれこれ1年と半年も追いかけられて愛の告白をされれば、誰しも名前くらい覚えるのではないだろうか。



私がそう言えば、ここちゃんはまったく気にしてない様子で「そう?」と言った。



何この子、超ポジティブ。




『ここちゃん、雲雀さんのこと本当に好きなんだね』


すごいな、と笑う私に、ここちゃんは雷に打たれたような顔をした。



「そっそんな……!ああ、妬かないで真衣っ!!私もどちらかを選ぶなんて、そんなことできないの……っ!!」

『安心して妬かないから』



即答でそう言うと、ここちゃんは複雑そうな顔をして「そっか……へへ……」と言っていた。心なしか若干泣きそうになっている。




『……でも、私放って雲雀さんばっかり構わないでね?』

「!!真衣ー!!マイスウィーツ嫁えええ!!」

『なんで嫁だけ日本語!?』

「英語わかんない!!」

『ばか!?』



とりあえず、抱きついてきたここちゃんの頭を撫でておきました。よしよし。




次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ