短編小説

□幸せはすぐそこ。
1ページ/1ページ

『悪い…そんな風に見れない…』

半年前、ヒデに言われた言葉だ。
ヒデと俺は中学からの親友で、高校にあがった時、俺ははずみで告ってしまった。

そして、今。



「ごめん。そんな風には見れないんだ」

俺は、最近仲良くなった女の子に告白された。
だけど、俺はやっぱりヒデが好きだから…俺はヒデと同じ言葉で断った。


あれからヒデとは、何もなかったように『友達』をしている。
『友達』は苦しいけど、ヒデで側にいたいから。
もしかしたら、あの角を曲がれば、幸せがあるかもしれないから、なんて思って。
―――
――――――

「えっ?ヒデ知らなかったのかよ?」
「マジ…で?」
「だよ。今頃ユキの奴告られてんじゃねぇ?」

俺は、 その言葉を聞き終わらないうちに席を立った。
ありえないと思った。ユキが俺以外と付き合うこと。
だから走った。
走っていくあの角の先に、ユキがいることを願いながら。


e n d

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ