立海1
□小話集
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【曇】>>仁王雅治
「雅治って雲みたいだよね」
「んー?」
ふわふわしてて
掴み所がなくて
「すぐどっかに行っちゃいそう」
いろんな形に姿を変えて
いろんな表情をみせてくれる
「どこにもいかんよ」
あ……
ほら、この顔は夏の入道雲
大きくて…安心する
「お前さんは太陽みたいじゃな」
掴み所のない雅治のことを怖い、って思う人もいるみたいだけど……
時々みせるさびしそうな顔をみせてあげたい
雨雲みたいに今にも泣き出しそうで
冬の曇みたいにどこまでも広がっていそうな
そんな顔……
「雅治…?」
「ん?なんじゃ?」
「あたしが太陽なら空を晴らして、雅治が真っ白に輝いていられるようにしてあげる」
今はまだなんのことかわからなくてもいい
「ははっ…ありがとさん」
だから…入道雲のような笑顔を私にみせてね
+Fin+