夏蝶の舞

□夏風邪
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蝉が騒がしく鳴く、夏。
担任の点呼で気づいた。
梵天が休みであることに。


学校が終わり、近くのスーパーで食材を買い梵天の家に行く。


ピンポーン、ピンポーン、ピンポン、ピンポン…


勢いよく扉が開く。
その扉の内側からは、ものすごく不機嫌な梵天が…


「どうしました?
 あまり怒るとカルシウムがなくなりますよ?」


「うるさい…」


あららら?
いつもの覇気がありませんね。
ということは、かなり弱ってます?


「梵天、大丈夫ですか?
 あなたが休むなんてよくありますけど、本当に風邪だとは思いませんでした。」


「失…礼な奴……だね…」


その梵天は顔が赤く、目が涙目である。
ダ…ダメですよ!!
梵天がこんなんだからって!!!


自分をおさえることに数分。
不振におもった梵天が玄関の扉を閉めようとする。


「ま、待ってください!
 何もそんなことするために来たわけじゃないですよ!」


「いったい…何したいん…だい?」


「あなたが何も食べていないのではないかと心配して来たんです。」


「……そうかい。
 なら、あがりなよ……」


「おじゃましますね。」


梵天にキッチンを借りる。
梵天がフラフラとリビングのソファーに座る。
それを横目に梵天のためにお粥をつくる。

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