春蝶の舞
□太陽の香り
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「白禄さん、
あれ?いないんですか?
おかしいですね…」
春になればあまり彼は来なくなる。
しかし、今日は来ると言っていた。
自信作の菓子を片手に探していると、茂みに太陽の光を反射した金髪が見えた。
「こんな所にいたんですか…」
ふぅ…とため息をついた。
いつもなら、何ため息つうてるんだい?とか言うはずなのに今日は無言だ。
「白禄さん?
寝ているのですか?」
長い睫毛で縁取られた瞳は閉じている。
「私まで眠くなってきました…」
銀朱は隣に座り、木に持たれるとすぐ寝入ってしまった。
「馬鹿じゃないの?
俺が寝るはずないだろう。」
隣で寝る銀朱を見て言う。
「あんたが起きてると、あんたの菓子が食べれないだろ…」
銀朱に背中を向け、食べる。
白禄さん、甘いですよ?
私が寝るはずないじゃないですか。
あなたに食べて貰うために寝たふりをしてるのですよ…
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