RESET 〜明日照婆娑羅伝〜

ノ幕「終焉のび声」
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ゆっくりと沈み落ちていく。
血の巡りが止まり、あらゆる温度の感覚が切り離され、皮膚が冷めていく。
手足が重みを増し、息が途絶えていく。
神経が、末梢から壊死していく。



世界はすでに暗転していた。
掴める物も、踏み締められる物もそこにはなく、ゆらゆらと沈んでいく。
その曖昧な降下の感触は、むしろ心地よくさえあった。





ああ、消えていく。
命の灯が、じりじりと消えていく。
ひたひたと終わりの足音が、すぐそこまで聞こえる。



こわくなどない。
くやしくなどない。





…………ただ、さみしい。







  なかないで。
   だいじょうぶ。
   ずっと、そばにいるよ。
   あいにいこう、みんなに。
  いっしょに、いこう。








優しい声が聞こえた。
何かが触れた気がした。
温かいものが、流れ込んできた。




世界が、真っ白に輝いた。





いごの
(平原綾香「Reset」)


 
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