Bleach:惑わされる真実
□固い決意
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サラが自室に戻ると、恋次が来たであろう書置きを手に取り、フフと笑った。
サラへ
明日朽木隊長がお前を呼んでるから朝一に来て欲しい。
どうやら隊長もお前の事お気に入りみたいだ。
それと、あのどーなつって菓子うまかったぜ!
また作ってくれ!
恋次
『ここには一週間もいないのに、みんなと仲良くなれて、なんだかずっとここにいるみたい』
「そうやなぁ。ボクも交ぜて欲しいわ」
人が居ないはずの自室で突然関西訛りの男の声がした。サラは本能的に危険だと察知し、振り返らないまま霊圧を探る。しかし、いくら探ってもどこにも霊圧を感じない。
「あ、もしかして霊圧さっぐてはるー?無駄無駄!だって僕、今霊圧消してるさかい」
その声の方向へ腰にある斬魄刀に手を掛けながら振り向くと、銀色の髪に、色白の男が立っていた。二人の目が合うと、その男はニッコリと笑顔を見せた。しかし彼の顔からは、感情が読み取れず、ぞくっと背筋が凍るような感覚に襲われる。
「僕は市丸ギン。よろしゅうな」
『あなた・・・・何者?』
斬魄刀を抜こうとしているサラの仕草を見ても、何もそれに触れずにいるギンに、鋭い目線を送った。
「おぉコワっ。そんな顔してるとせっかくの美人が台無しやで?僕はな、君に話があってきたんや」
戦う気がないのを知ったサラは鋭い目線を残したまま斬魄刀から手を離し、距離を取って座った。
『あなた、もしかして・・・。“元”三番隊隊長の市丸ギンさんですか・・・?』
「よう知ってはるなぁ!分かってるなら話は早い!サラちゃん・・・君、僕と一緒に来ぉへん?」
『無理です』
「どうしても?」
『はい。どうしても無理です』
「さよか・・・」