Bleach:惑わされる真実

□優しい手
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翌日、サラは二日酔いの頭を抱えながら昨日のお礼を言うついでに六番隊を見て回ろうと隊舎へ向かっていた。

『うー・・・頭痛い・・・こんなに頭痛いんだったら、今度からお酒の飲み方には気をつけよう・・・。』

高校生にしてお酒の飲み方を知ったサラだった。

『あっ、六番隊の隊長のお部屋はここだな・・・よし! 現世から来ました月島サラです!朽木隊長はいらっしゃいますか?』

「入れ。」

中からは低く落ち着いた声がし、扉を開けると机に向かい執務に取り組む白哉の姿があった。

『あの・・・今日は六番隊のお仕事を拝見しようと思いまして・・・』

「構わん。楽にしろ。」

そう言われても、ちょっと威圧感が恐いんですけどー・・・。そうサラは思いながらも白哉の隣に行き、筆を進めるその書類に目を通していた。

『わっ!綺麗な字ですね!筆でこんな綺麗に書けるなんて・・・現世では書類はボールペンで書くもんなぁ・・・!』

「そうか」

無口な白哉は一言だけ口にするとサラとの会話を終わらせる。二人の間には何とも言えない沈黙が流れた。

『・・・・っ。 えーと・・・』

「・・・すまんな。昨日はうちの恋次が迷惑を掛けた」

まさか話を振られるとは思っていなかったサラはしどろもどろになりながらも、昨日のお酒の席でのことだと理解し、自分の方が迷惑を掛けたことを伝えた。

「そうか。・・・卿(けい)はこちらに来て何がしたい」

『私は・・・大切なものを護るために強くなりたいです!』

「大切なもの・・・?」

『はい。その為なら、この命に掛けて。』

真剣なサラの目に白哉は吸い込まれそうになった。それは、亡くなった妻、緋真以来の事。こんなに一人の女に惹かれたのは久々だ。
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