Bleach:惑わされる真実

□十番隊
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翌日、十番隊に顔を出すと早朝だというのに机に向かい、執務をこなす冬獅郎がそこにはいた。真剣に仕事をする冬獅郎は全くサラの存在に気づかない様だ。

『んーーー、話かけ辛いな・・・。やっぱり、今日は違う隊に行こ・・・』

「おい、そんなトコでつっ立ってないで入れ――。」

『煤I!うわっ!! ・・・日番谷隊長、気づいてたんですか!?』

「当たり前だ。霊圧で分かる」

そう言うと冬獅郎は筆をおき、お茶を出してくれた。サラと冬獅郎はソファーに向かい合って座った。そのお茶を飲むと、鼻先から良い香りとコクのある旨みが口に広がる。

『このお茶美味しい!玉露ですか?』

「分かるのか?俺の好きな茶だ。普段は安いのを飲んでいるが・・・これは客人用だ。」

隊長ともあろうお方が普段は安いお茶を飲みできるだけ経費を少なくしようとしている・・・そんな冬獅郎の慎ましいやり方にサラは心が綻んだ。執務もサボりまくりの乱菊に変わってほとんど一人でこなしているというのだ。相当疲れも溜まっているだろう。サラはこの隊に入って少しでも彼の支えになれれば・・・と考えていた。

『日番谷隊長、お疲れでしょ?失礼でなければ肩、お揉みしても良いですか?』

「あぁ・・・頼む」

そういうとサラは冬獅郎の背後に回り、そっと肩に触れる。彼の肩は思った以上に硬く、それをゆっくり解していく。

「んっ・・・・お前、上手いな。」

『えへへ//// 昔よく父の肩を揉んでいましたから』

静かでゆっくりとした時間が流れる。普段隊長として忙しくしている冬獅郎には久しぶりの休息だ。

『あっ!腰も大分凝ってますね!ちょっとうつ伏せになってください!』

「お、オイ・・・っちょ、月島?!」
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