Bleach:惑わされる真実

□旅へ
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「で、喜助・・・サラの事で話があるというのは、いったい何なのじゃ?」

昨日の疲れで未だグッスリと寝ているサラの横で話をしていたのは夜一と喜助だった。

「いやぁ、いきなりお呼びだてしてスイマセン〜!サラサンはあの黒崎さんに匹敵するぐらいの才能を持っていると言っても過言ではないんス!まぁ霊力は黒崎さんに及ばないものの、霊圧のコントロールは黒崎さんより上。おそらくそのうち鬼道も使えるようになるかもしれませんよ〜♪」

扇子でパタパタと自分を仰ぐと、夜一にとんでもない事を持ちかけた。

「それで、どうでしょう。サラサンを一度尸魂界に連れて行き、霊子が豊富にある環境で訓練させてみるというのは・・・?」

「・・・・何じゃと?!おい喜助、お主それ・・・本気で言っておるのか?」

目を大きく見開いてパチクリさせた夜一は喜助に大声で言った。その声にサラは目を覚まし、眠い目をこすりながら障子越しに繰り広げられる二人の会話をウツロウツロ耳にした。

「いくら一護が死神代行として尸魂界に受け入れられたと言うても、人間であるサラをあちらの世界に連れて行くというのは・・・・山本総隊長もなかなか許してはくれぬだろう・・・それに本人の意思もある。一人で知らぬ街に行くのは精神的にも辛い。」

え・・・・?どういうこと?私の知らないところで私の事を話している・・・?尸魂界に行く?私が?サラは訳の分からないまま話を聞いていた。

「彼女は素晴らしいっス。能力も然る事ながらあの人格。人を安心させ優しく包み込むような・・・今護廷十三隊は藍染のこともありましたからピリピリしてます。彼女が行くことで何か変わるかもしれません。それにサラサンをもっと強くすることが出来れば・・・」

「これからの藍染との決戦の時に良い働きをするやもしれん・・・という事か?」

「そぉいう事っス。元はといえばアタシが崩玉を作り出してしまったのが原因・・・みんなを巻き込むことにったのは責任がありますが・・・何もかも身勝手で申し訳ない。」

障子越しに聞こえる喜助の声は苦しそうで悲しそう・・・。サラはズキンと痛む胸を押さえ夜一と喜助の下に静かに足を運んだ。

『私・・・行きたい!尸魂界に連れて行ってください!』

「サラさん・・・・!!フッ・・・本当にあなたって人は・・・」

喜助は思わず夜一がいるのにもお構いなしでサラをフワっと抱きしめた。この子はきっと自分の気持ちを察してこう言ったのだろう。自分の事は二の次で、他人の事を一番に考える心の優しいく強い女性。喜助は彼女に心底惹かれていった。喜助は抱きしめたままサラの頬に頬ずりし、まるで猫のように懐いた。

『わ・・・!喜助さんっ!夜一さん・・・助けてくださいよぉぉっ////』

「諦めろサラ!喜助はお主に惚れておる!しかし・・・これではどちらが猫か分からぬな。笑」

夜一は他人事のようにケラケラと笑うと、早速砕蜂と連絡を取ってくると尸魂界に向かった。サラはどれだけ切願しているかという気持ちや決意を書いた手紙を書きそれを夜一に託した。「ほんとうにお主は出来たやつじゃ」と姉のようにサラの頭を撫で、足早に夜一は浦原商店を後にするのだった。
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