Bleach:惑わされる真実
□卍解
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「――い・・・おい!サラっ!!」
心の中の世界から目を覚ますと、目の前にはオレンジ色の髪をした男が居た。
『い・・・ちご?』
「っ・・・お前・・・何やってんだよ・・・!こんな怪我して・・・っ」
一護の瞳からは安心と悲しみが織り交ざっている。
『ごめん・・・私、負けちゃった。』
「もう気にすることはない。卍解、出来るようになったんじゃろ?」
ふと声のほうに目をやると、開いた扉の淵に腕を組みながら寄りかかる夜一の姿があった。その後ろには、冬獅郎、白哉、剣八もいた。
「わしも含めてみんなお主の事が心配だったんじゃ。お主が目覚めるまでココを離れようとしなかったぞ」
『夜一さん・・・一護・・・現世からわざわざ?』
「ったりめーだろっ!!お前がアイツに刺されたって言われた時、頭が真っ白になって、気が付いたら夜一さんとここに来てた―――。」
一護のその言葉で、グリムジョーと交戦したことはサラにも分かった。しかしその間、一護の霊圧が少し前より変化しているように感じた。この霊圧は虚にも似たようなものだ。
『ありがとう。私はもう大丈夫だから・・・一護、あなたの中にも居るんだね。内なる虚―――』
「!?お前、なんでそれを!」
『私も戦う。私の中の内なる虚と。だから、一護も私も今やるべきことをしよ?もう時間がない・・・』
サラの強くまっすぐな視線に一護は言葉を失うと、分かったとだけ言い残して夜一と現世に戻っていった。
「夜一さん―――」
「・・・・。一護、サラは大丈夫じゃ。お主は強くなれ。今はそのことだけ考えろ」
「あぁ」
一護は心の中で決心を固める
俺は絶対この手で大切な者を護る――と。