短編

□薄桜鬼
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見回りが終わって屯所に帰ると縁側にいる美琴(ミコト)を見つけた。

「美琴、そんな所で何してるの?」

僕が声をかけると結っている長い髪がサラサラとなびく。

『お、総司。お帰り。特に意味はないんだけどね、季節を感じようかと、』

「まだ肌寒い季節だし、風邪引くよ?」

『その時は総司が看病してくれるから大丈夫。』

「甘えん坊だなぁ、添い寝もしてあげるよ。」

『やったね、じゃあ頑張って風邪引くよ。』

「いや頑張って引かなくていいよυ」

肌寒い中二人で会話をしながら外を眺めた。


――――――――

「なんでこうなっちゃうんだろうなぁ。」

『本当だよね。ダメじゃん。』




今、私が風邪を引いたと思った人挙手。 はい残念でしたぁ!
『見回りから帰った時は特に何にもなかったのにね。』

「外で会話したのがダメだったね。」

「‘ね。’じゃねぇよ!隊長なんだから自己管理くらいちゃんとしやがれ!」

「まぁまぁトシ、総司もなろうとしてなった訳じゃないし、な?」

『病人相手に大きな声出さないで下さい〜。』

「このっ、みこ「トシ、ここは美琴に任して、じゃあ美琴頼んだぞ?」

『了解です。』

暴れる?土方さんを連れ部屋から出ていく近藤さん。

「美琴、寒い。」

『布団持ってこようか?』

「いや、美琴がきて。」

そういって被っている布団を少しめくり招く。

『仕方ないなぁ。』

私が入ったのを確認し、満足そうな顔をする総司。

「たまには風邪引くのも良いかもね。」

…風邪、

『ねぇ総司、このままじゃあ私風邪が移る気が…、』

「大丈夫、そのときは僕がちゃんと看病してあげるから。」

全然大丈夫じゃないんだけど…まぁいっか。



―――結局風邪が移ったのはまた別の話―――
 

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