小説

□明日がくるなら。
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第三話だよ( ̄▽ ̄)b






キーンコーンカーンコーン

三時間目の終わりを告げるチャイムが校内に鳴り響く。

すると休み時間になった瞬間今まで寝ていた啓吾が超ハイテンションで近づいてくるのをぶっ飛ばし一護は彼女の席を見たがやはり彼女はいなかった。
もう休みはこれで三回目になる。

「朽木さん、来ないね。」

啓吾の横に立っていた水色はケータイをいじりながら話題を振った。


「………」

「珍しいね、一護がこんなに女の子の事心配するなんてさ」

「…別に、そんなんじゃねえよ」

何か思い詰めるような表情の一護に思わず声をかけようとした水色だが、やめた。
何故なら教室の窓から確かにあの小さな少女の姿が見えたから。


「…一護、朽木さん、来たみたいだよ」

水色の言葉に意味が解らないというように眉間にシワを寄せる一護、
それに軽く笑いながら窓の外を指差した。
少しばかり目の悪い一護だがそんなのどこえやら。
一瞬で朽木さんの姿を発見すると
教室を出て走り去って行った。
向かう先はもちろん彼女の元。




「ふふ、面白いなあ」


くすくすと笑う水色は窓から何か言い合う2人をケータイの写真機能で撮影していた。


「あんな一護、滅多に見られないからね」




自分達が撮られている事も知らずに2人は喧嘩していた。

「なんで遅刻が駄目なんだ!!
貴様には関係無い、と昨日も言った筈だ!!」

「関係ねぇ事ねーよ
俺はこれでも風紀委員なんで遅刻は許しません」

「その髪で風紀委員だと?笑わせるな
説得力に欠けすぎだろう」
馬鹿にしたようなルキアの言い方に軽く一護がキレた。

「これは
地毛
だっっつーの!!
てゆうか、ピアスもつけてくんな!!」

やたらと「地毛」を強調する一護にルキアは笑いをこらえきれないようだ。

「オレンジ頭にピアスの事を言われても困るぞ」

耳に小さく光るシルバーのソレはピアスだった。
だが彼女は外す気ゼロと言った感じだ
きっと何を言っても無駄だろう。

「お前なあ…」

あまりの頑固っぷりに一護は盛大に溜め息をついた。ルキアはふんっと
言うように
腕を組みながら彼の横を通りすぎようとした。

だが

「っ…!」
びくんっと身体が震えたと思うとルキアは胸を強く押さえ込みながら膝からゆっくり落ちていく

「朽木っ!!」

あと少しで地面に倒れる所をどうにか一護は抱き留める

「どうしたんだよしっかりしろ!」

「やっ……!」

呼び掛けるが全く反応なし、あまりの痛みに返事も出来ないようで、
目はどこか遠くを見ているように見えた。

「っ!」


窓から見ていたのか水色が先生と一緒に走ってくる。
「一護っ!朽木さんどうしたの!?」

「俺にもわかんねぇんだ!いきなり…!」

「取り敢えず救急車呼ぶね!」

水色はケータイ電話を取り出すと素早くボタンを押し、今の現状を伝える。

すると突然今まで激しく痙攣を起こしていた身体は意識を手放し、

ぐったりと彼の身体に倒れ込んだ。

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