小説

□RECK
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「遊びにだよ!」

一護がそう言って私の腕を引っ張る。

オレンジ色の髪が、日の光に反射してとてもきれいだった。











「遊びに…?」
「そ!遊びにだよ、どこ行きたい?何でも言えよ
俺今日仕事入ってねえから」
ルキアはそんなことを言われたのは初めてで、正直物凄くとまどっていた。
「ど…こと言われても…」

どこか困ったようなルキアを見て一護はん〜…と考え込んだ。

「あれだ、遊園地とか…」
「ゆうえん…ち…?」

ぽかんとした顔でルキアは一護を見た。

「お前まさか…遊園地知らねえの!?」

「なっ…悪いか!」

「悪かねーけど…」

「…だって、しょうがないではないか
使いの者たちは皆いそがしそうだし…
兄様はいつか解らないくらい前から
外の国を
飛び回っていらっしゃるし…

それに、
私は……」



ルキアはそこまで言うと
今口にしかけた言葉をきゅっと飲み込んだ。

「遊園地」

を知らないのも

兄様がいつ日本から消えたのか解らないのも、

きっと、このせい。


一護には、言えない。




「―――それに、私はテレビなど見ないからな
それで知らないのだと思う。」

その場逃れの言い訳を ルキアは一護の目を見て言った。


「そっか…やっぱ貴族のお嬢様は違うな」


一護はルキアがごまかしている事に気付いたけれど
突っ込まない事にした


言いたくないものを無理に言わせるのは性に合わない。

それにそんな事を言える立場でもない。


「じゃ行くか!
…ほら、手」
すっ…と一護は私に手を差し伸べた。
「へっ!?」

思わずすっとんきょうな声を上げてしまった私に一護は笑った。

「ははっ、なんだよその顔、お前小せえし…お嬢様だし、迷子になったりしたら大変だろ?」
「…む、何だそれは!…てゆうか!
私は背は…小さいかもしれぬが、歳は貴様とあまり変わらないと思うぞ!」
「へ〜ぇじゃあ聞くが、一体テメーは何歳なんだよ?」
一護はわざとからかうようにそう言うと、
ルキアは聞いて驚けと言うようにニヤリと笑うと

「18だ!!」

と言い放った。

「…は?」
18…?俺と…

「同い年ィ!?」

「ふふ、思い知ったかこのクソガキめ」
「見えねえ!!」
「うるさいわたわけ!
…というか同い年だったのか…15くらいだと思ってた」
「小学生かと思ってたぜ…」

ふう と息をはく一護の腹に
ルキアは全力で蹴りをいれた。

「いってええええ!!!」
「何が小学生だ!て事はあれか、
貴様は小学生と毎日会っている気分だったという事か!!ロリコンか貴様!!」
ルキアは気持ち悪いというように彼から一歩後ずさる
「ばっ…ちげえよなんでロリコンなんだよ!!
今のは冗談だってさすがに!
…でもやっぱ中一くらいかなと思ってた…」

一護がそういうと彼女に「あまり変わらぬではないかっ!」とまた同じところに蹴りをいれられた。

一護は痛む腹を抱えながら内心汗っていた
確かにルキアの言う通りだ…俺はルキアを中一くらいと思いながらも好きになってた、俺…ロリコンなのか!?


「…一護?すまぬ、そんなに痛かったか…?」

焦っている俺を痛みを引きずってると誤解したルキアは上目遣いで謝ってきた。


やばい、可愛い。



もうしばらくその顔を見ていたかったが
ルキアが可哀想なので一護はいつもの明るめな声で
「なんでもねーよっ」
と言うと彼女の小さな頭をぐしゃっと撫でた。
すると予想通り
安心した表情を見せたと思ったらすぐ子供扱いするな!とプンプン怒りだしたので思わず一護は声をあらげて笑ってしまった。




どうしよう俺

今すごく幸せだ…








飛んできた幸せ。

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