感謝とお礼

□2000hitのお礼の品
1ページ/3ページ









※今回も神無に出てきていただきます。








幸せな休日―――――――――――――――









桜が満開を迎え、今週の土曜日に華鬼と二人で花見に出かける約束をした。 その為にお弁当に入れる食材を準備し、いつもより早めに起き準備を始めていた――はずだった。

気合を入れて台所に足を踏み入れ冷蔵庫を開けた。 そこには昨日、もえぎと一緒に買い物に行き買い揃えたものだ。


「まずは…」


おにぎりを作るためにご飯を磨ごうと冷蔵庫を閉め振り返った、その時。


「?! …か…華鬼?」


いつもならまだ起きてこない彼が既に私服に着替え終え、その上、エプロンまでつけている。


「……俺も手伝う、何をすればいい」


突然なことに神無は華鬼の顔をじっと見つめてしまう。 さっき布団で彼はすやすや寝ていた。 


「?」


首を傾けに神無を見つめ返すと、いつの間にか見つめ合っていることに気が付き顔に熱がこもり始めた。


「え…えっと…じゃあ、上にしまったお重を出して…欲しいです」


恥ずかしくなって顔を下向けるとその頭にぽん、と華鬼の手が乗っかりその横を通りに抜ける。 その後を目で追った。


「どこに置けばいい」


簡単に取ったお重を片手で抱え、反対の手で扉を閉める。 その姿に神無は関心した。 今まであのお重を取るとしたら踏み台を持って来なければ届かなかった上に、片手でなど絶対に持てない。


「…すごい」


「何がだ」


眉を寄せた華鬼は言われた所にそれを置き、神無を見る。 どうやら彼にとって簡単なことの様だ。


「私だったら踏み台がないと取れないから」


「…言えばいつでも取ってやる」


「良いの?」


いつも踏み台を使っている時、お重が重くてフラフラしてしまうのでそれはとても助かる。


「それくらい構わない」


「ありがとう、華鬼」


そう言った神無の顔はいつの間にか笑っていてた。 いつもいない所に華鬼が来て手伝いをしてくれることがこんなにも嬉しい。
一緒にいるだけでも嬉しいが、こんな風に何かを一緒にやるのも良い。


「…ああ。 次は何を」


華鬼も神無につられて笑みを浮かべ指示されることを坦々とこなしていく。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ