雑文章
□ＢＬ⑧ ２０２１
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「で、アサがヒトメボレしたっていう例の子の情報ちょっとは集まったわけ？」
「……夕陽に関係ないだろ」
「えー？ 関係なくないよ」
「なんでだよ！ べつにお前、あの子のこと知らないし興味ないだろ」
「んなことないよ。アサがヒトメボレしたっていうから面白くって！ 興味ありまくり」
「それ良くねぇ興味じゃねぇか！？」
「まぁまぁ、んでぇ？ 惚れたつってもう一ヶ月たつけどー、声ぐらいかけた？」
「………………まだ」
「んー……知ってた！」
「う、う、うるせぇ！ こ、声なんかかけれっかよナンパじゃねぇか！」
「いやナンパしなくてどうすんの。このままストーカー化でもするつもり？」
「……うぐぅ」
「ねぇ」
「ぁ？ なんだよ……」
「ニブーいアサくんに、俺から良いこと教えてやろっか」
「ん？」
「身長165cmのー、体重52kg、もうちょっと筋力つけて体重欲しいとこだよねぇ」
「え？」
「視力は1.2あるからアレはダテ眼鏡でー、髪もウィッグだよ。ほんとは短いし」
「えっ、え、……は？」
「趣味はゲーセン通い、あと筋トレ。最近のブームはちょーっとニブい友人を観察すること」
「ちょっ、待っ……待て、それって」
「あとはなんと言ってもー、……アレ、スカートはいてるけど男だよぉ。バイト先で女装してる時にアサに惚れられちゃったんだよねぇ」
「待てって夕陽っ、そ、それあの子のことか？ えっ、てかおと、男？ 夕陽なんでお前が、そんな知って……」
「うーん？ それはねぇ、……こんなに長いこと俺の顔を見てるはずのアサが気付かないのが面白くて面白くて！」
「は……な、なっ、あ！？」
「んふふふ、ようやく気付いた？ 俺、のこと」
「はぁああ！？」
「ひひひっ、はーめっちゃおもしろ！ はー……アサ俺の顔好きなんだ？ うはははッ、なぁ、そんなにアレ良かったか」
「はっ！？ ち、ちが……え？ うそだろマジ……ゆ、夕陽？」
「ん？ 俺だよぉー？」
「……嘘だろぉ、だってあんな、女、……女じゃんあんなん……っ」
「アサの目にはちゃーんと女に見えたわけかぁ。いやぁ罪だね俺も」
「……ッ！」
「なぁ、アサ。……惚れたなら、付き合ってやろっか？」
「……ぇ」
「あはははっ、マージで惚れちゃったなら良いよ？ でもさあ、俺はアサ相手にオンナノコやる気はないけど、な」
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2021/09/18