題噺

□踏み越えた一線
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地塗られた赤い土地、イシュヴァール。
ほとんど女はいなく、いるのは軍人の発達した男たちばかり。
それも“殲滅”と聞けばそうかもしれないが。
女を捕まえる事が出来ないこの場所では、男同士が付き合うことなど日常的であり、それが普通だった。
私達ロイ・マスタングとマース・ヒューズも例外ではなく、それが普通なのだと認識していた。
だがお互い、誰かと付き合う、などとはしなかった。
その気になれば付き合うなどと動作もないはず。
私は付き合いたい男の一位だったし、マースも上位に入っていた。
そんな私が、男を作らない理由。
“マースが好きだから”
マースを、愛してるから。
奴もきっと、気付いてる。
気づいてて、無視してる。
だから私は自分で、越えてはいけない一線“親友”の枠組みを作った。
そしてずっと、二人が一緒にいる限りはその線を越える事はない、そう信じていた。
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