短文

□万年筆
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ついこないだ士官学校を卒業した私にとっては、直ぐにこんな管理職に着くのは嫌味なのか、歓迎なのか……どちらにしても、あまり嬉しくはない歓迎だった。
いきなり部下達を纏めろ、なんて言われても無理な気がする。
書類だって、どんどん溜まって部下に迷惑をかけるかもしれない。
ヘマをするかもしれない。
あの時にマースと語り合った青臭い理想を実現させるには通らなければいけない道なのだが。
『この国の未来』について夜も睡眠を忘れる程に熱く語り合った。
理想、を追いかけた。
もうあんな風に語ることはないだろう。
お互い忙しくなり、段々と疎遠になってしまうのも寂しいが受け入れるしかない。
こんな所で私情に挟まれ足を止めるわけにはいかないからだ。
進まなきゃ、理想には辿り着かない。
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