番外編
□4月8日
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今日は俺の誕生日、でもあって高校の入学式である。
家族は入学式の準備であわただしい。
俺の誕生日のことなんてスッカリ忘れている・・・。
そう、俺の誕生日は忘れられやすく、祝われることが少ないのだ。
そんな俺の誕生日である今日にため息が出た。
俺は学校へ向かった。
”期待と希望をふくらませて”なんて普通言うけど、今の俺はその逆。
”誕生日を周りから忘れられているさびしさ”と、”祝ってもらえない切なさ”でいっぱいだ。
学校へ着きクラスを確認するために俺は掲示板を見て自分の名前を探した。
1組から探したのですぐに見つけられた。
1年1組に書いてある俺の名前。知らない奴らの名前。
”どんなクラスになるんだろう。”
”どんな人達がいるんだろう。”
なんて、期待よりも今の俺には
”このクラスの奴らにも祝われなく終わるんだろうな・・・。”
という悲しみの方が大きいのだ。
はぁ〜、
とため息をしていたら近くににぎやかな女の子がやって来ていた。
「栄口くん!いっしょのクラスだね。」
その女子はその男子(栄口)といっしょのクラスになれたことがうれしいのか、すごくうれしそうに騒いでいた。
でも、男子のほうは不機嫌そうに見える、
のは気のせいか・・・?
ちょっと待てよ。
”栄口”って・・・見覚えがあるかも!?
と思い掲示板を見てみると、
1組のクラスに、俺の名前の前に、”栄口”という名前を見つけた。
そして、こいつらのやりとり(会話)を見ていたら少し笑みがこぼれた。
こいつらといっしょのクラスなのか。
なんか、にぎやかになりそうだ。
少し期待がふくらんだ。